あなたはアーユルヴェーダからどういったことをイメージしますか?トリートメントや額にオイルを垂らす施術、あるいはイメージ出来ないという方もいらっしゃるかもしれません。
「言葉としては聞いた事があるけどどんなものか分からない」「敷居が高い」「高価そう」という声を、私自身しばしば聞きます。
実は、アーユルヴェーダは決して敷居が高くはありません。すぐに生活に取り入れることが出来ます。そして高価でもありません。
サロンでトリートメントを受けようと思ったら高価ですが、ご自身でセルフケアが出来るんです。
アーユルヴェーダを学んできて辿り着いたのは
- 「複雑だけど結構シンプル」
- 「アーユルヴェーダの知恵で生活が豊かになる」
という事実です。
アーユルヴェーダは範囲が広くとても深い学びなので、一生勉強と言っても過言ではありません。けれどもその分、ご自身に合ったアーユルヴェーダを見つけることが出来ると思います。見つかるまでの過程もきっと楽しめることでしょう。
アーユルヴェーダとは?
前置きが長くなりましたが「アーユルヴェーダとは何か」について解説させていただきます。
今回は、私が英国アーユルヴェーダカレッジ、そして本場スリランカで学んできた内容と経験を基にお話しします。
アーユルヴェーダが身近に感じられるよう、わかりやすく解説しますので、どうぞ最後までお付き合いください。
アーユルヴェーダの歴史
アーユルヴェーダはインド・スリランカで古来から伝わる伝統医療で、5000年以上の歴史があります。肉体、精神、スピリチュアルの全てを領域としており、健康で幸せに、長生きする方法を教えてくれる学問です。
古い学問ですが、現代に生きる私たちの健康管理のヒントになる方法を教えてくれます。アーユルヴェーダを日本語に訳すと、「生命の科学」または「生命の知識」と訳すことができます。
これだけだと、おそらくまだ漠然とした感じですよね。
では次に、アーユルヴェーダの定義を紹介します。
アーユルヴェーダの定義
アーユルヴェーダとは、生命について知ることと生命を楽しむ方法を教えるものです。
ここで言う生命は、肉体・感覚器官・精神・魂の結合です。分かりやすく言うとbody・mind・spiritといったところでしょう。
そして、これらのバランスを保つことが非常に重要となります。
バランスを保つために、ご自分の良い状態を知ること、良い状態に辿り着くための方法(トリートメントや食事の取り方、アーユルヴェーダのちょっとした知恵など)を無理なく楽しみながら生活に取り入れて、体の内側に耳を傾ける事が大事だと私は考えています。
アーユルヴェーダの基本となる3つのエネルギーの概念
バランスを保つためのヒントとなる、3つのエネルギーについてご紹介します。
ワータ
性質
風と空から連想できる性質
乾性・冷性・軽性・微細性・動性・明白・粗性
ワータは風が雲を動かすようにあらゆるものを動かします。
ワータの性質が強い人の特徴
乾燥肌、冷え性、疲れやすい、ちょこちょこ食べる、想像力が豊か、行動が早い、、など。
ピッタ
性質
火と水から連想出来る性質
やや油性・熱性・鋭性・液性・軽性・流動性
ピッタは太陽が乾燥させて湿気を取るように変化の力があります。
ピッタの性質が強い人の特徴
体温が高く汗かき、情熱的で知的、リーダーシップを取るのが上手い、、など。
カパ
性質
水と土から連想できる性質
重性・冷性・遅い鈍い・油性・安定性
カパは月が湿気(冷たい)を与えるように形を作ります。
カパの性質が強い人の特徴
体力がある、温厚で穏やか、マイペース、頑固、食べることが好き、眠るのが好き、、など。
以上の3つが、私たちの心身のバランスを保つのに覚えておくと便利な3つのエネルギーです。
それぞれが、多過ぎないように、そして少な過ぎないようにアーユルヴェーダの知恵と体の声を聞きながら上手にバランスを取っていきます。
飯盒炊飯を例に、バランスについて考えてみよう
これらの3つのエネルギーの説明をする時によく飯盒炊飯の例が挙げられます。
飯盒炊飯は、火(ピッタ)を起こすために風(ワータ)が必要であり、お米を炊くために水(カパ)が必要です。そしてどれか1つでも減りすぎたり増えすぎると美味しいお米が炊けません。
- 火が強過ぎたら焦げてしまうし、弱過ぎたらいつまでたってもお米は炊けません。
- 風が強過ぎたら、火力が増して焦げる原因になってしまうし、弱過ぎたら火さえも起こせません。
- 水が多過ぎたら、べちょっとしたお米になってしまうし、少な過ぎたら硬く炊き上がるか焦げてしまいます。
この例からも分かるように、全てのエネルギーが揃っていることと、バランスを保つことが、私たちの心身を整えるのにも非常に大切です。
サーマーニャとヴィセーシャ
バランスを保つために役立つ覚えておくと役立つポイントとして、サーマーニャ(同一性)とヴィセーシャ(特別性)があります。
- サーマーニャとは…いつも全てのものについて増える理由はサーマーニャです。
- ヴィセーシャとは…いつも全てのものについて減る理由はヴィセーシャです。
つまり、同じものが同じ性質を増加させ、異なるものが異なる性質を減少させます。
この考えと3つのエネルギーとサーマーニャとヴィセーシャを覚えておくと、バランスを保つためにどうすれば良いかのアイディアが浮かびやすくなります。これについては次回のアーユルヴェーダの効能・効果で詳しくご紹介します。
アーユルヴェーダには私たちが心身ともに健康に生活するための教えがあります。
この記事を書いた人
英国アーユルヴェーダカレッジ日本付属校プロコース卒業後に同校にて体質改善セラピスト及び実技アシスタントとして勤務。退職後、スリランカにてHabarana Wedegedara Ayurveda Institute(スリランカ政府公認)を取得。2014年、茨城県にてSattverma をオープン。