50代の結婚で後悔しやすいのは、相手への気持ちよりも、お金・相続・介護・生活習慣・親族・住まいといった暮らしの事情です。50代の結婚や再婚の後悔は、入籍前に話し合い、入籍前にしかできない準備をしておくことで減らせます。
「この年で結婚して、うまくいかなかったらどうしよう」「相手の借金や介護まで背負うことにならないかな」と、踏み出す前に不安になるのは自然なことだと思います。
この記事では、裁判所の司法統計、人口動態統計、民法などの公的な情報をもとに、結婚を後悔した理由、50代で後悔しやすい点、入籍前のチェックリストをまとめました。体験談や民間アンケートの数字ではなく、確かめられる情報だけで書いています。
50代の結婚で後悔する人の割合は?公的データでわかること

結婚を後悔している人の割合を示す公的な統計は、編集部が調べた範囲では見当たりませんでした。代わりに、結婚がうまくいかなかった結果としての離婚の統計から、どの時期にすれ違いが表に出やすいかを見ることはできます。
結婚後悔割合を示す公的統計はなし
「結婚を後悔したことがある人は◯割」という数字は、民間企業のアンケートによるもので、国の統計ではありません。 調査の対象や聞き方がそれぞれ違うため、この記事では割合の数字を使わないことにしました。
後悔という気持ちは、一度でも思ったことがあるのか、今も続いているのかで意味が大きく変わります。割合の数字より、どんな理由で後悔が生まれるかを知る方が、これから結婚する人の役に立つと考えています。
離婚の約3割弱は同居5年未満
人口動態統計では、2024年の離婚185,904件のうち、同居期間が5年未満の離婚は51,640件で、約28%でした。 国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集2026」表6-13の数字です。
これは全年代の数字で、50代の結婚に限ったものではありません。それでも、一緒に暮らし始めてから数年のうちに「思っていたのと違う」が表に出やすいことはうかがえます。
結婚を後悔した理由は?裁判所の統計に表れる夫婦のすれ違い

夫婦がうまくいかなくなった理由は、家庭裁判所の統計に表れています。年齢別の数字ではありませんが、民間アンケートのランキングより確かな手がかりになります。
夫も妻も1位は性格が合わない
令和7年の司法統計年報(家事編)第19表では、夫婦関係の調停などを家庭裁判所に申し立てた人が挙げた動機の1位は、夫・妻とも「性格が合わない」でした。 申立人1人が主な動機を3つまで挙げる集計なので、合計は100%を超えます。
| 申立ての動機 | 夫(15,355件) | 妻(42,136件) |
|---|---|---|
| 性格が合わない | 9,004件 | 15,646件 |
| 精神的に虐待する | 3,320件 | 10,995件 |
| 生活費を渡さない | 825件 | 12,137件 |
| 浪費する | 1,784件 | 3,463件 |
| 家族親族と折り合いが悪い | 1,685件 | 2,315件 |
編集部の計算では、夫の申立ての約59%、妻の申立ての約37%が「性格が合わない」を挙げています。
妻側で目立つ生活費の問題
妻の申立てでは「生活費を渡さない」が12,137件で2番目に多く、全体の約29%にのぼります。 夫の申立てで同じ動機は825件なので、お金の不満は妻側に強く出ていることがわかります。
夫の申立てでは「浪費する」と「家族親族と折り合いが悪い」がそれぞれ約1割です。お金と親族は、50代の結婚で特に話しておきたい点と重なります。
50代の結婚で後悔しやすい6つのことは?

50代の結婚で後悔しやすいのは、お金・相続・介護・生活習慣・親族・住まいの6つです。どれも20代・30代の結婚より、二人がそれぞれ長く積み重ねてきたものが大きい分野です。
お金の考え方と借金の有無
50代の結婚では、収入・貯金・借入れ・老後の資金計画が二人ともすでに固まっていて、使い方の違いが後悔につながりやすくなります。 司法統計で生活費や浪費が上位にあることも、お金の話の大切さを示しています。
民法では、夫婦が結婚前から持っている財産や、結婚後に自分の名前で得た財産は、それぞれのものとされています。一方で、日常の家事のために一方が契約した代金などは、夫婦が連帯して責任を負う決まりです。相手の借金そのものを肩代わりする義務はありませんが、借入れの有無は入籍前に聞いておくと安心です。
相続と前の家族とのつながり
結婚すると配偶者は常に相続人になり、相手の子どもや親、兄弟姉妹と遺産を分け合う立場になります。 国税庁の案内では、配偶者と子が相続人なら各2分の1、配偶者と親なら3分の2と3分の1です。
「財産は自分の子に残したい」「家は相手に残したい」といった希望が二人で食い違ったまま亡くなると、残された家族の間でもめる原因になります。後悔の多くは、話しにくさから相続を後回しにしたことから生まれていると感じます。
親の介護と自分たちの老後
民法で扶養の義務があるのは直系血族と兄弟姉妹で、配偶者の親は原則として含まれません。 それでも50代では、どちらかの親の介護が結婚後すぐに始まることも珍しくありません。
内閣府の令和4年版男女共同参画白書では、40〜69歳の独身女性が積極的に結婚したいと思わない理由として、49.4%が「仕事・家事・育児・介護を背負うことになる」を挙げています。どこまで関わるか、費用は誰が出すかを決めずに結婚すると、その負担が後悔に変わりやすくなります。
生活習慣と家事の分担
長く一人で暮らしてきた50代ほど、起床・食事・掃除・お金の管理など、自分のやり方が固まっています。 一緒に暮らし始めてから、小さな違いが毎日積み重なるのが生活習慣のすれ違いです。
司法統計の1位が「性格が合わない」であることも、価値観や暮らし方のずれが積み重なった結果と読めます。家事をどちらがどれだけ担うか、休日の過ごし方、一人の時間の取り方は、交際中に話しておきたい点です。
親族との付き合い
結婚すると、相手の親や兄弟姉妹、再婚なら相手の子どもや孫とも親族としての付き合いが始まります。 夫の申立てでは「家族親族と折り合いが悪い」が約1割を占めていました。
帰省や行事への参加、お墓や仏壇の扱いなど、家ごとに当たり前が違います。相手の家族と会う回数を、入籍前に少しずつ増やしておくのがおすすめです。
住まいと持ち家の扱い
どちらの家に住むか、住み替えるかは、通勤や生活のしやすさだけでなく、相続と介護にも関わります。 相手の持ち家に移り住んだ場合、相手が先に亡くなったあと、その家に住み続けられるかが問題になります。
法務省の案内では、配偶者は相続のあとも一定の条件で「配偶者居住権」や、最低6か月は無償で住める「配偶者短期居住権」で住まいを守れます。どの仕組みを使うかは、遺言や遺産分割の内容で変わります。
50代の再婚で後悔が大きくなりやすいのはなぜ?

50代の再婚は、前の結婚から続くお金や家族のつながりがある分、後悔したときの影響が大きくなりがちです。初婚どうしの結婚より、話し合う相手が増えると考えておくと準備しやすくなります。
前の結婚の子どもと相続の取り分
再婚した人が亡くなると、新しい配偶者と前の結婚の子どもが一緒に相続人になります。 遺言がなければ、法定相続分は配偶者2分の1、子ども全体で2分の1です。
子どもには遺留分という最低限の取り分もあるため、遺言で「全部を再婚相手に」と書いても、子どもが請求すればその分は渡すことになります。民法では、相続が始まる前に子どもが遺留分を放棄するには家庭裁判所の許可が必要です。
遺族年金は事実婚でも権利がなくなる
日本年金機構によると、遺族年金を受けている人が結婚すると、受ける権利がなくなり、この結婚には内縁関係(事実婚)も含まれます。 籍を入れずに一緒に暮らせば受け取り続けられる、というわけではありません。
遺族厚生年金は2028年4月に見直しが予定されていて、すでに受け取っている人は今の仕組みが続きます。金額や手続きは人によって違うので、再婚を考え始めたら年金事務所で確かめておくと、あとで後悔せずに済みます。
再婚の進め方そのものは、バツイチ 再婚で幸せに。結婚・婚活の正攻法でもまとめています。
50代の結婚で後悔しないために入籍前にしかできないことは?

結婚の中には、婚姻届を出したあとでは変えられないものがあります。後悔を減らすうえで、入籍前のタイミングでしかできない準備を知っておくと安心です。
夫婦財産契約は婚姻届の前だけ
民法では、夫婦の財産の扱いを法律の決まりと違う形にする「夫婦財産契約」は、婚姻届を出す前に結ぶ必要があります。 第三者や相続人に主張するには、婚姻届までに登記しておくことが条件です。
さらに、婚姻届を出したあとは、この財産関係を変えることができません。お互いの財産を厳密に分けておきたい人は、入籍の前に司法書士や弁護士に相談しておくのがおすすめです。
遺言書と財産の一覧づくり
どう財産を残したいかが決まっているなら、入籍のタイミングで遺言書を用意しておくと、相続の後悔を減らせます。 遺言は入籍後にも書けますが、話し合いの流れで一緒に考えておくと、二人とも納得しやすくなります。
持ち家、預貯金、保険、ローン、年金の見込みを一覧にして見せ合うのも、入籍前にこそしておきたい準備です。
一緒に暮らすお試し期間
生活習慣のすれ違いを防ぐには、数日から数週間、どちらかの家で一緒に過ごしてみるのが近道です。 旅行より、普段の家事や仕事のある日を一緒に過ごす方が、暮らしの相性がわかります。
食事の時間、テレビの音、掃除の頻度など、言葉にしにくい違いはこの期間に見えてきます。
50代の結婚で後悔しないための入籍前チェックリストは?

入籍前の話し合いは、6つの分野ごとに確認していくと漏れが少なくなります。全部を一度に話す必要はなく、交際の段階に合わせて一つずつ進めれば十分です。
お金と相続のチェック
お金と相続は、数字を見せ合うところまで進めておくと安心です。
- 収入・貯金・借入れ・年金の見込みを伝え合ったか
- 生活費の分け方と、それぞれの貯金の扱いを決めたか
- 財産を誰にどう残したいか、遺言書を作るかを話したか
- 遺族年金や扶養の扱いを年金事務所で確かめたか
健康保険の扶養に入れるのは、日本年金機構の基準で年収130万円未満(60歳以上は180万円未満)などの条件を満たす場合です。
介護と親族のチェック
介護と親族は、どこまで関わるかの線を二人で決めておくことが大切です。
- お互いの親の健康状態と、介護が必要になったときの方針
- 帰省や行事、お墓や仏壇の扱い
- 子どもや孫がいる場合、結婚をどう伝えるか
相続人ではない親族が、亡くなった人を無償で介護して財産の維持に貢献したときは、相続人に「特別寄与料」を請求できる制度もあります。
生活習慣と住まいのチェック
生活習慣と住まいは、実際に一緒に過ごしてから確かめるのがおすすめです。
- 起床・就寝・食事の時間、家事の分担
- 一人の時間や趣味の時間をどう取るか
- どちらの家に住むか、住み替えるか、持ち家を誰の名義にするか
籍を入れるか迷ったら?後悔しにくい関係の選び方

50代では、法律婚だけでなく、事実婚や別々に暮らす関係も選べます。どの形にも良い点と注意点があるので、後悔しにくい形を二人の事情で選ぶのがおすすめです。
法律婚・事実婚・別居婚の違い
籍を入れるかどうかで、相続と年金の扱いが変わります。
| 関係の形 | 相続 | 遺族年金 |
|---|---|---|
| 法律婚 | 配偶者は常に相続人 | 受給中なら権利がなくなる |
| 事実婚 | 相続人にならない | 内縁でも権利がなくなる |
| 別居婚(法律婚) | 配偶者は常に相続人 | 受給中なら権利がなくなる |
国税庁の案内では、内縁関係の人は相続人に含まれません。事実婚で財産を残したい場合は、遺言などの準備が必要です。
恋人のまま様子を見る選択
子どもの気持ちが追いついていないときや、介護の見通しが立たないときは、恋人のまま様子を見る選択もあります。 急がずに暮らし方を確かめることで、入籍してからの後悔を避けられることもあります。
再婚しない生き方も含めて考えたい方は、バツイチは楽しい?幸せに一人で生きていくも参考になると思います。
50代の結婚で後悔しにくい人・立ち止まりたいサインは?

50代の結婚で後悔しにくいかどうかは、年齢より、話しにくいことを話せる関係かどうかで決まると考えています。
後悔しにくい人の共通点
お金・家族・老後の話を、相手と同じ目線で話し合える人は、50代の結婚で後悔しにくいと思います。 相手を変えようとするより、違いを前提に暮らし方を決められる人も、結婚後のすれ違いが小さくなりやすいです。
結婚したい気持ちのきっかけや婚活の始め方は、アラフィフが結婚したいと思うきっかけと婚活の始め方にまとめています。
立ち止まりたい3つのサイン
次のようなサインがあるときは、入籍を少し待って話し合いを重ねるのがおすすめです。
- お金や借入れの話を避けられる
- 相手の家族や子どもに会わせてもらえない
- 会う前や交際の早い段階でお金の話が出る
特に3つ目は、ロマンス詐欺の手口とも重なります。マッチングアプリで知り合った相手から投資や送金の話が出たら、やり取りを止めて消費者ホットライン188に相談するのが安心です。
50代の結婚の後悔に関するよくある質問
Q. 結婚を後悔している人の割合はどのくらいですか?
A. 結婚の後悔を示す公的な統計は、編集部が調べた範囲では見当たりませんでした。民間のアンケートはありますが、対象や聞き方がまちまちなので、割合より後悔の理由を知っておく方が役に立つと考えています。
Q. 結婚を後悔した理由で多いのは何ですか?
A. 令和7年の司法統計では、夫婦関係の調停などを申し立てた人の動機の1位は、夫・妻とも「性格が合わない」でした。妻側では「生活費を渡さない」も約29%と多くなっています。
Q. 熟年再婚で後悔しやすいのはどんなことですか?
A. 前の結婚の子どもとの相続、遺族年金の権利がなくなること、相手の親族との付き合いが代表的です。入籍前に、子ども・お金・家の話をしておくと後悔を減らせます。
Q. 相手の借金を結婚後に返す義務はありますか?
A. 民法では、結婚前からの借金は相手個人のものです。ただし、日常の家事のための支払いは夫婦が連帯して責任を負うため、借入れの有無は入籍前に確かめておくと安心です。
Q. 入籍後に財産の分け方を契約で決められますか?
A. 民法では、夫婦財産契約は婚姻届の前に結ぶ必要があり、届出後は変更できません。財産を分けておきたい人は、入籍前に専門家へ相談するのがおすすめです。
Q. 事実婚なら後悔しにくいですか?
A. 一概には言えません。事実婚の相手は相続人にならず、遺族年金は事実婚でも権利がなくなるため、二人の事情に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ|50代の結婚の後悔は入籍前の話し合いで減らせる

50代の結婚や再婚で後悔しやすいのは、お金・相続・介護・生活習慣・親族・住まいの6つです。司法統計でも、性格の不一致や生活費、親族との関係が夫婦のすれ違いの上位に並んでいました。
- 結婚を後悔した割合を示す公的統計はなく、理由を知って備える方が役に立つ
- 夫婦財産契約は婚姻届の前にしか結べない
- 再婚では前の結婚の子どもとの相続と、遺族年金の扱いを先に確かめる
話しにくいことほど、気持ちが盛り上がっている入籍前の方が話しやすいものです。チェックリストを手元に、一つずつ話し合ってみませんか?
これから相手を探す方は、まず同年代と話せる場に足を運んでみるのもおすすめです。
結婚を前提に、条件や家族のことも含めて相手を探したい方には、結婚相談所という選び方もあります。
出典(2026年10月確認)
- 最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第19表 https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/toukei/toukei-pdf-16677.pdf
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2026年版)」表6-13 https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Data/Popular2026/T06-13.files/sheet001.htm
- e-Gov法令検索「民法」(755条・756条・758条・761条・762条・877条・1028条・1042条・1049条・1050条) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4132.htm
- 法務省「残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます。」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00028.html
- 日本年金機構「遺族年金を受けている方が結婚や養子縁組などをしたとき」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/izoku/jukyu/20140421-19.html
- 厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第13 遺族年金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_shikumi_013.html
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html
- 内閣府男女共同参画局「令和4年版男女共同参画白書」 https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/honpen/b1_s00_02.html
- 国民生活センター「ロマンス投資詐欺が増加しています!-その出会い、仕組まれていませんか?-」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220303_2.html



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