60代のパートナー探しは、まず「結婚するか、籍を入れずに寄り添うか」という形を決め、それから出会いの場を選ぶと進めやすくなります。形によって年金や相続の扱いが変わるため、先に知っておくと後で家族ともめずに済みます。この記事では、60代のパートナー探しの実情と、結婚・事実婚・別居婚の違い、自分に合う出会いの場の選び方をまとめました。
「この年で相手を探すのは恥ずかしい」「子どもにどう思われるか」と迷う方も少なくありません。国の調査の数字と公的機関の情報をもとに、先に決めておきたいお金・住まい・子どものことと、だまされないための注意点も紹介します。
60代のパートナー探しは珍しい?独身と一人暮らしの実情

60代のパートナー探しは珍しいことではありません。60代の約5人に1人は配偶者も恋人もいない状態で、65歳以上の一人暮らしも増えています。
配偶者も恋人もいない60代は約2割
内閣府の令和4年版男女共同参画白書によると、配偶者も恋人もいない人は60代女性で22.8%、60代男性で21.5%でした。同じ調査で、配偶者はいないが恋人はいる人は60代女性2.5%、60代男性1.9%です。
50〜60代の独身者は、女性の約半数に離婚の経験があり、男性は半数以上が結婚の経験がありません。死別・離別・未婚と事情はさまざまで、同じ立場の人は思っている以上に多いと思います。
65歳以上の女性の4人に1人が一人暮らし
2025年の国勢調査では、65歳以上の女性の25.3%、男性の19.0%が一人暮らしでした。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の男性の一人暮らしの割合は2020年の16.4%から2050年には26.1%に上がる見込みです。
一人で暮らす人が増えるなかで、話し相手や支え合える相手を探すのは自然な流れです。周りに言いにくいだけで、同じように考えている同世代は身近にもいると感じます。
60代がパートナーを求める理由は?好きな人と暮らしたい・老後の安心

60代がパートナーを求める理由は、好きな人と一緒にいたい気持ちと、老後を一人で過ごす不安の両方です。理由をはっきりさせると、自分に合う形も見えてきます。
いちばん多いのは好きな人と生活したい気持ち
白書の調査で、40〜69歳の独身者が結婚したい理由の1位は「好きな人と一緒に生活したい」で、男性49.0%、女性44.0%でした。男性では「精神的な安らぎの場がほしい」が23.4%で続きます。
60代の恋愛も、出発点は若い世代と変わりません。誰かと食事をして、その日の出来事を話せる相手がほしい。その気持ちを大切にしてよいと思います。
老後の心配や寂しさも理由の一つ
同じ調査で「老後が心配だから」を挙げた独身男性は13.1%、「一人は寂しい」は男性18.6%、女性13.6%でした。健康や介護、もしものときに頼れる人がいない不安は、60代になるほど現実味を帯びます。
一方で、白書では独身女性が結婚に積極的でない理由として「自由でいたい」60.7%、「家事・介護などを背負う」49.4%も挙がっています。支え合いたい気持ちと、自分の時間を守りたい気持ちは両立できる形を探すのがおすすめです。
60代のパートナーの形はどう選ぶ?結婚・事実婚・別居婚の違い

60代のパートナーの形は、籍を入れる結婚、籍を入れずに暮らす事実婚、籍の有無にかかわらず別々に住む別居婚の3つに大きく分かれます。年金・相続・税金の扱いが変わるため、形を選ぶ前に違いを知っておくと安心です。
| 項目 | 結婚(婚姻届あり) | 事実婚(届なし) |
|---|---|---|
| 相続人になるか | なる | ならない |
| 配偶者控除 | 対象 | 対象外 |
| 遺族年金の受給中なら | 受給権がなくなる | 受給権がなくなる |
内容は日本年金機構と国税庁の案内(2026年10月時点)にもとづきます。個別の条件は年金事務所や税務署で確かめるのがおすすめです。
籍を入れる結婚
婚姻届を出した配偶者は常に相続人になり、遺産の取り分も法律で決まります(国税庁「相続人の範囲と法定相続分」)。子どもがいる場合、配偶者と子どもが2分の1ずつが法定相続分です。
自分が亡くなった後に相手の暮らしを守りたいなら、籍を入れることが大きな意味を持ちます。一方で、子どもの相続分が変わるため、家族に早めに話しておくと誤解を防げます。
年金にも関わります。日本年金機構によると、厚生年金に20年以上加入した人が65歳になったとき、生計を維持している65歳未満の配偶者がいると、加給年金が加算される場合があります(届出が必要)。年の差のある再婚では、確かめておきたい制度の一つです。
籍を入れない事実婚
籍を入れない事実婚の相手は、相続人に含まれません。財産を残したい場合は、遺言書を用意する方法があります。
注意したいのは、遺族年金を受け取っている方です。日本年金機構の案内では、受給者が結婚すると受給権がなくなり、ここでいう結婚には内縁、つまり事実婚も含まれます。籍を入れなければ年金は続くと思い込まず、年金事務所で確かめておくと安心です。
別々に住む別居婚や通い婚
住まいは別々のまま、週末だけ会う、行き来して過ごすという形も、60代のパートナーには選ばれています。持ち家や今の暮らし、子どもとの距離を変えずに済むのが利点です。
籍を入れて別々に住むか、籍を入れずに行き来するかで、上の表の扱いが変わります。別居婚の法律・税金の違いは別居婚のメリット・デメリットの記事で詳しく紹介しています。
60代のパートナー探しで先に決めたいことは?お金・住まい・子ども

60代のパートナー探しでは、出会う前に「お金」「住まい」「子どもや親族への伝え方」を自分の中で決めておくと、相手と話がこじれにくくなります。若い世代より、持っているものと守りたいものが多いからです。
お金の分け方と生活費
生活費を出し合うのか、それぞれの財布を分けたままにするのかを、自分なりに決めておくと話し合いがスムーズです。年金の額や貯蓄は人によって大きく違うため、どちらかが無理をすると長続きしません。
相手の財産をあてにしない、自分の財産も相手に預けないという線を最初に引いておくと、後で述べる詐欺の予防にもなります。
住まいと介護
どちらの家に住むのか、別々に住むのかは、持ち家の扱いや相続にもつながる大事な項目です。同居を考えるなら、家の名義や、亡くなった後に相手が住み続けられるかまで考えておくと安心です。
介護についても、「お互いが元気なうちの関係」と割り切るのか、支え合うのかで準備が変わります。正解はないので、二人で納得できる形を探すのがおすすめです。
子どもや親族への伝え方
子どもに話すときは、「相続や家のことは今のまま」など、相手が心配しそうな点を先に伝えると受け止めてもらいやすくなります。反対の多くは、親の幸せそのものより、お金や家への不安から来ることがあります。
いきなり紹介するより、「最近、食事をする友人ができた」と少しずつ話す方が自然です。死別の場合は、亡くなった配偶者への思いも含めて話せる相手かどうかが大切だと思います。死別からの再婚の記事も参考になります。
60代のパートナー探しはどこでする?出会いの場5つの比べ方

60代のパートナー探しの場は、マッチングアプリ、結婚相談所、交流会、趣味のサークル、知人の紹介の5つが主な選択肢です。目的と、使えるお金・時間で選ぶと迷いにくくなります。
| 出会いの場 | 向いている目的 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| マッチングアプリ | 恋人・再婚・話し相手 | 女性は無料が多い |
| 結婚相談所 | 再婚 | 入会金・月会費が必要 |
| 交流会・パーティー | 恋人・友人 | 1回ごとの参加費 |
| 趣味のサークル | 友人から自然に | 会費は少額が多い |
| 知人の紹介 | 再婚・恋人 | かからない |
自宅から探せるマッチングアプリ
マッチングアプリは、50歳以上や40歳以上に限ったものもあり、60代でも同世代を自宅から探せます。再婚した夫婦の13.9%がネットで知り合っているという国の調査もあります(第16回出生動向基本調査)。
登録から相手探しまでは無料のアプリが多いので、近くに同世代がいるかを見るだけでも始められます。選び方は熟年のマッチングアプリおすすめ5選で比べています。
再婚を急ぐなら結婚相談所
籍を入れる再婚を考えているなら、入会時に独身証明書の提出を求める結婚相談所が向いています。相手も結婚を前提にしているため、話が早く進みます。
費用は入会金や月会費がかかり、アプリより高くなります。複数の相談所を比べてから決めると、納得して始められます。
顔を見て話せる交流会と趣味のサークル
文字のやり取りより顔を見て話したい方には、年代を絞った交流会や、趣味のサークルが向いています。その場で雰囲気がわかるので、写真やプロフィールだけで判断する不安がありません。
運営元のおとなじかんでも、40代・50代・60代向けのワイン会や日本酒会を開いていて、50〜60代を対象にした回もあります(2026年10月時点の掲載)。趣味のサークルは恋愛目的ではない人も多いので、友人から自然に始めたい方に合います。
知人の紹介と地域の集まり
友人や親族からの紹介は、相手の人柄を知る人が間にいるため、60代でも安心して会いやすい方法です。再婚を含む夫婦の出会いでは「友人・兄弟姉妹を通じて」が2番目に多いという国の調査もあります。
「いい人がいたら紹介してほしい」と身近な人に一言伝えておくだけでも、きっかけは増えます。公民館の講座や地域のボランティアなど、同世代が集まる場に顔を出すのも一つの方法です。
60代のパートナー探しがうまくいく進め方は?

60代のパートナー探しは、最初から理想の一人を決めるより、話し相手を何人か作ってから絞る方がうまくいきやすくなります。急がず、自分のペースを守ることが大切です。
相手に求めることを3つに絞る
白書の調査で、40〜69歳の独身者が結婚相手に求めることの上位は「価値観が近い」(女性72.3%、男性67.1%)と「一緒にいて落ち着ける」でした。年収や見た目より、一緒にいて楽かどうかを重視する人が多いことがわかります。
条件を多く並べるほど、会う前に相手を外してしまいます。「これだけは譲れない」ことを3つに絞り、あとは会ってから確かめるのがおすすめです。
月1回のお茶から始める
最初は月1回のお茶や昼の食事など、負担の少ない会い方から始めると、お互いに無理がありません。昼間に人の多い場所で会えば、安全の面でも安心です。
何度か会ううちに、パートナーとして考えたい相手か、友人のままがよい相手かが見えてきます。形を決めるのは、その後でも遅くありません。結婚にこだわらない関係の考え方は結婚はしたくないけどパートナーは欲しい方への記事でも紹介しています。
60代のパートナー探しで気をつけたい詐欺は?

60代のパートナー探しで最も気をつけたいのは、恋愛感情につけこんでお金をだまし取るロマンス詐欺です。被害の多くが同世代に集中しているため、手口を知っておくと落ち着いて対処できます。
被害者の75.6%が40〜60代
警察庁によると、令和7年のSNS型ロマンス詐欺は5,645件、被害総額は546.4億円で、被害者の75.6%が40〜60代でした。知り合ったきっかけはマッチングアプリが32.7%、InstagramやFacebookも多く見られます。
会ったことのない相手が、投資や送金の話を持ち出したら要注意です。「二人の老後のために」という言葉で誘われることもあります。
お金の話が出たらいったん止める
会ったことのない相手からお金や投資の話が出たら、その時点でやり取りを止め、家族や友人に話してみるのがおすすめです。一人で抱えると判断が鈍りやすくなります。
困ったときは警察相談専用電話の#9110や、消費者ホットラインの188に相談できます。先に「お金は貸さない・預けない」と決めておけば、迷う場面そのものを減らせます。
60代 パートナー探しに関するよくある質問
Q. 60代からパートナーを探すのは遅いですか?
A. 遅くありません。60代の約5人に1人は配偶者も恋人もいない状態で、同じように相手を探している人は少なくありません。
Q. 籍を入れなくても遺族年金は続きますか?
A. 日本年金機構の案内では、遺族年金の受給者が結婚すると受給権がなくなり、内縁(事実婚)も含まれます。個別の状況は年金事務所で確かめるのがおすすめです。
Q. 事実婚の相手に財産を残せますか?
A. 事実婚の相手は相続人に含まれないため、財産を残したい場合は遺言書を用意する方法があります。内容は専門家に相談すると安心です。
Q. 子どもに反対されたらどうすればいいですか?
A. 反対の理由がお金や家のことなら、相続や住まいをどうするかを先に伝えると受け止めてもらいやすくなります。時間をかけて少しずつ話すのがおすすめです。
Q. 60代でもマッチングアプリは使えますか?
A. 使えます。50歳以上や40歳以上に限ったアプリもあり、女性は無料で使えるものが多いです。
Q. 結婚までは考えていなくても探していいですか?
A. 探して大丈夫です。話し相手や茶飲み友達から始め、何度か会ってから形を考える人も多くいます。
まとめ|60代のパートナー探しは形を決めてから場を選ぶのがおすすめ

60代のパートナー探しは、配偶者も恋人もいない人が約5人に1人いるほど身近なことです。結婚・事実婚・別居婚では年金や相続の扱いが変わるため、どの形がよいかを先に考えておくと、相手や家族とも落ち着いて話せます。
出会いの場は、自宅で探せるアプリ、再婚に向く結婚相談所、顔を見て話せる交流会やサークルから、目的に合うものを選ぶのがおすすめです。60代のための交流・出会いのイベントは50代〜60代シニアに人気のイベント14選で探せます。



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