50代独身男性は、2025年の国勢調査で50代男性の約36%、およそ3人に1人にあたります。50代は親の介護、役職定年や定年、体の変化、老後資金、一人暮らしの食事という5つの節目が重なる年代ですが、早めに確かめておけば、どれも一人で抱え込まずに備えられます。
「親が弱ってきたら、仕事はどうなるのだろう」「定年まであと数年。そのあとの暮らしが見えない」。そんな気持ちを抱えている方に向けて、この記事では国の統計と制度をもとに、50代で独身の男性が向き合う節目と、その備え方を整理しました。
独身であることを否定も美化もせず、数字と使える制度だけをお伝えします。読み終えたときに、今週なにを確かめるかが一つ決まっていればうれしいです。
50代独身男性はどのくらいいる?2025年国勢調査で見る割合

50代独身男性は、50代男性の約3人に1人です。2026年9月に公表された2025年国勢調査の人口等基本集計で、最新の数字を確認できます。
50代男性の約28%が未婚
2025年の国勢調査では、50代男性の約27.8%、およそ257万人が未婚でした。総務省統計局の人口等基本集計(表Ⅲ-2、不詳補完値)によると、50〜54歳は29.1%、55〜59歳は26.2%が未婚です。
| 年齢(男性・2025年) | 未婚 | 死別・離別 |
|---|---|---|
| 50〜54歳 | 29.1% | 7.7% |
| 55〜59歳 | 26.2% | 9.5% |
出典:総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」表Ⅲ-2(不詳補完値)。50代全体の割合は編集部の計算値
死別・離別を含めると約36%
未婚に死別・離別を加えると、50代男性の約36.3%、およそ336万人が配偶者のいない状態です。内訳は未婚が約257万人、死別・離別が約79万人でした。
50代になると、結婚を経て今は一人という人の割合が40代より増えます。ずっと一人で暮らしてきた人と、離婚や死別を経た人とでは、子どもや元の家族とのかかわりなど、事情が違うこともあります。
55〜64歳の男性の約4人に1人は一人暮らし
2025年の国勢調査では、55〜64歳の男性の23.3%、約191万人が一人で暮らす世帯にいます。45〜54歳の男性は20.2%でした(表Ⅴ-1-3)。単身赴任中の既婚者なども含む数字です。
家事も体調管理も自分でこなしている50代の男性は、職場で見えている以上に多いのだと思います。一方で、親の家で一緒に暮らしている人もいて、どちらかによって備え方も変わってきます。
50代独身男性が40代までと違って向き合うことは?5つの節目

50代独身男性がこの10年で向き合いやすいのは、親の介護、役職定年や定年、体の変化、老後資金、一人暮らしの食事の5つです。どれも既婚の人にも起こることですが、独身だと判断も実行も自分一人に集まりやすくなります。
「いつか」が「数年後」になる5つの変化
40代までは先の話だったことが、50代では数年以内の予定として近づいてきます。親が80代に入る人も多く、勤め先では役職定年や定年の年齢が見え、健診の結果にも変化が出やすくなる時期です。
| 節目 | 50代で起こりやすいこと |
|---|---|
| 親の介護 | 通院の付き添い、実家の見守り |
| 役職定年・定年 | 役職や収入、職場での役割の変化 |
| 健康 | 健診の数値、疲れや気分の変化 |
| 老後資金 | 年金の見込額がはっきりする |
| 食生活 | 外食や同じ献立に偏りやすい |
一人で決める人ほど「先に確かめる」が助けになる
家族と分担できない分、制度と相談先を先に知っておくことが一番の備えになると思います。問題が起きてから調べ始めると、仕事を休めないまま判断を急ぐことになりがちです。ここから先は、5つの節目を一つずつ見ていきます。
50代独身男性と親の介護、仕事を辞めずに続けるには?

50代独身男性にとって、親の介護は仕事との両立がいちばんの課題になりやすいものです。国の調査からは、働きながら介護をしている50代男性が多いことがわかります。
介護をしている50代男性は約70万人
2022年の就業構造基本調査では、家族の介護をしている50代の男性は約70万人で、その約87%が仕事をしながら介護をしていました。50〜54歳は30.5万人、55〜59歳は39.8万人です(総務省統計局、表7-2から計算)。
独身で兄弟姉妹がいない、または遠方に住んでいる場合、通院の付き添いや役所の手続きを一人で引き受けることになりがちです。親と同居している人は、介護の始まりに気づきやすい反面、仕事との線引きが難しくなることもあります。
介護離職した男性は1年で2.6万人
同じ調査では、介護・看護のために過去1年間に仕事を辞めた男性は2.6万人でした。辞めた男性の多くは、その後仕事に就いていません(無業者2.1万人)。
50代で仕事を辞めると、収入だけでなく、老後の年金の見込額にも影響します。辞める前に、勤め先の制度と地域の相談先を確かめておくことをおすすめします。
介護休業は通算93日、相談は地域包括支援センターへ
介護休業は、対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取ることができます。介護休暇は年5日(対象家族が2人以上なら10日)で、2025年4月からは、介護に直面したと申し出た社員に制度を個別に知らせることが事業主の義務になりました(厚生労働省)。
介護休業は、自分で介護をし続けるための期間というより、介護サービスや施設の手配をする期間と考えると使いやすいと思います。親の住む地域の地域包括支援センターは、介護が始まる前の相談にも応じています。
50代独身男性の役職定年・定年、その後の働き方は?

50代独身男性にとって、働き方の変化は収入と居場所の両方にかかわります。定年の年齢と、その後に会社が用意している制度を知っておくと、60代の暮らしが具体的になります。
65歳までの雇用確保は99.9%の企業が実施
令和7年の厚生労働省の集計では、65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%でした。内訳は継続雇用制度の導入が65.1%、定年の引上げが31.0%、定年制の廃止が3.9%です(従業員21人以上の企業)。
高年齢者雇用安定法では、定年は60歳以上と決められていて、65歳未満の定年の会社は65歳まで働ける仕組みを用意する必要があります。60歳で定年になっても、多くの会社では再雇用などで働き続けられます。
65歳以上定年の企業は約3社に1社
65歳以上を定年とする企業(定年制の廃止を含む)は34.9%、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は34.8%でした。70歳までの就業確保は、2021年4月から企業の努力義務になっています。
再雇用では、役割や給与が定年前と変わることがよくあります。何歳で何が変わるのかは会社ごとに違うので、就業規則や人事の説明会で早めに確かめておくのがおすすめです。
役職定年は勤め先の制度で確認
役職定年は、一定の年齢で管理職から外れる制度で、あるかどうか・何歳かは会社によって違います。50代半ばで役職を離れると、仕事の中身や部下との関係、給与が変わることがあります。
独身の男性は、職場が人間関係の中心になっていることも多いと思います。役職が変わる前に、仕事の外にも名前で呼び合える人を少しずつ増やしておくと、気持ちの落差が小さくなります。
50代独身男性の老後資金、まず何を確かめる?

50代独身男性の老後資金は、まず年金の見込額を知ることから始めるのがおすすめです。50歳を過ぎると、受け取れる年金の目安がかなり具体的にわかるようになります。
50歳からはねんきん定期便に見込額が載る
50歳以上のねんきん定期便には、60歳まで今の条件で加入し続けた場合の、65歳からの老齢年金の見込額が載っています。70歳・75歳まで受け取りを遅らせた場合の見込額も表示されます(日本年金機構)。
ねんきんネットを使えば、働き方を変えた場合の見込額も確かめられます。届いたハガキを開いて、毎月いくら受け取れそうかをメモしておくだけでも、老後の見通しがぐっと具体的になります。
65歳以上の単身無職世帯は月約3万円の赤字
家計調査(2025年平均)では、65歳以上で一人暮らしの無職の世帯は、実収入が月13万1,456円、税・社会保険料を引いた手取りが月11万8,465円で、消費支出の月14万8,445円に対して月2万9,980円の不足でした。仮にこの差が20年続くと、約720万円になる計算です(編集部の計算)。
この世帯の平均年齢は77.8歳で、住居費は月1万1,416円です。賃貸で家賃を払い続ける人は、この平均よりも住居費が多くかかる点に注意が必要です。
受け取りを遅らせる選択肢も
老齢年金は66歳から75歳までの間に受け取りを遅らせることができ、遅らせた分だけ増えた額が一生続きます。60代も働いて生活費をまかなえる人には、選択肢の一つになります。
内閣府の白書では、独身男性は個人年収300万円未満の人が4〜6割で、既婚男性の1〜3割より多いことが示されています。収入の幅が大きい分、平均の数字より自分の見込額をもとに考えるのが確実です。
50代独身男性の健康、一人暮らしで気をつけることは?

50代独身男性の健康は、体の変化に自分で気づけるかどうかがポイントです。一緒に暮らす人がいないと、顔色や体調の変化を指摘してもらう機会がどうしても少なくなります。
50代男性の約3人に1人が肥満
令和5年の国民健康・栄養調査では、50代男性の34.8%が肥満(BMI25以上)でした。男性全体の31.5%より高く、40代(34.3%)、60代(35.0%)と並んで多い年代です(厚生労働省)。
40〜74歳は、メタボリックシンドロームに着目した特定健診の対象です。結果の数値を前の年と並べて見るだけでも、変化に早く気づけます。
男性にも更年期がある
厚生労働省の調査(2022年)では、50代男性の14.3%が自分に更年期障害の可能性があると考えていて、診断を受けた人は1.7%でした。更年期の不調は女性だけのものと思われがちですが、男性でも気分の落ち込みや疲れやすさを感じる人がいます。
同じ調査では、更年期の症状を自覚しても医療機関を受診していない人が、40〜50代の男女で約8〜9割でした。気になる不調が続くときは、年のせいと決めずに、かかりつけ医に相談してみる選択肢があります。
倒れたときの連絡先を決めておく
一人暮らしの50代男性は、体調を崩したときに連絡する人を元気なうちに決めておくと安心です。兄弟姉妹や友人、近くに住む知人など、1人でも頼める人がいれば、入院の手続きや家の様子を見てもらうことができます。
財布やスマートフォンに緊急連絡先と持病・飲んでいる薬をメモしておくと、外出先で倒れたときにも周りの人が連絡を取りやすくなります。
50代独身男性の食生活、一人でも続けやすい工夫は?

50代独身男性の食生活は、毎日の小さな積み重ねが健診の結果につながる分野です。国の調査では、50代男性の食事に偏りが出やすいことがわかります。
主食・主菜・副菜がそろうのは約4割
令和5年の国民健康・栄養調査では、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上、ほぼ毎日とっている50代男性は37.5%でした。国の目標(健康日本21・第三次)は50%で、70歳以上の男性(61.5%)と比べても低めです。
主食はごはんやパン、主菜は肉・魚・卵・大豆の料理、副菜は野菜やきのこ、海藻の料理を指します。外食やコンビニでも、丼ものや麺類だけで済ませず、小鉢やサラダを一品足すだけで副菜がそろいます。
野菜は1日260gで目標の350gに届かない
50代男性の野菜摂取量の平均は1日260.0gで、目標の350gまで約90g足りません。350g以上とれている50代男性は25.3%でした(同調査)。
90gは、野菜の小鉢1皿分ほどです。冷凍野菜やカット野菜、具の多い味噌汁を常備しておくと、料理が得意でなくても無理なく増やせます。
誰かと食べる機会を週に一度つくる
一人で食べる日が続くと、食事が「済ませるもの」になりがちです。同じ調査では、家庭で誰かと食べることが「ほとんど毎日」という人は全体の66.6%でした。一人暮らしだと、家で誰かと食べる機会はほとんどありません。
週に一度、友人や同僚と食事をする、趣味の仲間と食卓を囲むといった予定があると、献立に気を配るきっかけにもなります。食事の場は、人とのつながりをつくる場にもなると思います。
50代独身男性がこれから人とつながるには?

50代独身男性にとって、困ったときに声をかけ合える人がいることは、お金や制度と同じくらい大きな支えになります。友人づくりもパートナー探しも、50代から始めて遅いということはありません。
職場の外のつながりを一つ持つ
定年や役職の変化に備えて、仕事以外で会える人を一人でも増やしておくことがおすすめです。趣味の集まり、地域の活動、同年代の交流会など、肩書きを抜きにして話せる場は、介護や健康の悩みを打ち明けられる場にもなります。
50代からの出会いの場は、50代の出会いの場とは?恋活&婚活におすすめの出会いの場と成功させる4つのコツでも紹介しています。
50代で結婚する男性の約7割は再婚
2024年に結婚した50代の男性は15,748人で、そのうち約73%が再婚でした。50代で初めて結婚した男性も4,269人います(人口統計資料集の表から計算)。
内閣府の白書では、結婚経験のない50代の独身男性で、結婚の意思が「ある」人は26.6%、「どちらでもいい」人は34.1%でした。結婚にこだわらず、まずは話し相手や一緒に出かける相手がほしいという人も少なくありません。
パートナーを探すなら目的から
結婚を前提に考えるなら結婚相談所、気軽に知り合いたいなら交流会や趣味の場、自分のペースで探したいならマッチングアプリが向いています。
| 出会い方 | 向いている人 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 結婚相談所 | 結婚を前提に探したい | 費用がかかる |
| 交流会・趣味の場 | 自然に知り合いたい | 恋愛目的の人ばかりではない |
| マッチングアプリ | 自分のペースで探したい | 相手の見極めが必要 |
運営元のおとなじかんでは、40代・50代・60代向けのワイン会や日本酒会、4〜10名の少人数お食事会を東京・大阪・神戸・名古屋・福岡・札幌で開いています。一人参加歓迎で、イベントによって独身限定や年代指定があります。
結婚相談所を考えている方は、相談所の選び方をまとめたおとな縁結びも参考にしてみてください。
50代独身男性に関するよくある質問
Q. 50代独身男性の割合はどのくらいですか?
A. 2025年の国勢調査では、50代男性の約27.8%が未婚、約8.5%が死別か離別で、合わせて約36.3%が配偶者のいない状態です。およそ3人に1人にあたります。
Q. 50代独身男性の老後は厳しいのでしょうか?
A. 一概には言えません。家計調査では65歳以上で一人暮らしの無職世帯は月約3万円の不足ですが、年金額や住まい、60代の働き方で大きく変わります。まずねんきん定期便で自分の見込額を確かめるのがおすすめです。
Q. 親の介護が始まったら仕事を辞めるしかありませんか?
A. 辞める前に使える制度があります。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、介護休暇は年5日取れます。親の住む地域の地域包括支援センターに早めに相談してみるのもおすすめです。
Q. 50代男性の更年期は病院で相談できますか?
A. 相談できます。気分の落ち込みや疲れやすさなどが続くときは、まずかかりつけ医に相談してみる選択肢があります。ほかの病気が隠れていることもあるので、自己判断で済ませないことが大切です。
Q. 50代からでも結婚できますか?
A. 2024年には50代の男性15,748人が結婚していて、初婚の人も4,269人います。結婚を前提に探すなら結婚相談所、まず知り合いを増やしたいなら交流会など、目的に合う場を選ぶのがおすすめです。
Q. 50代独身男性が寂しいと感じたときはどうすればよいですか?
A. 週に一度でも誰かと食事をする予定や、仕事の外で話せる場所を一つ持つことがおすすめです。趣味の集まりや交流会など、恋愛を目的としない場でも、気持ちを分かち合える人に出会えることがあります。
まとめ|50代独身男性は約3人に1人。5つの節目は早めの確認とつながりで備えられる

50代独身男性は、50代男性の約3人に1人です。親の介護、役職定年や定年、健康、老後資金、一人暮らしの食事は、50代で多くの人が向き合う節目で、独身だから特別に大変というわけではありません。
介護休業や地域包括支援センター、勤め先の再雇用制度、ねんきん定期便、特定健診など、先に確かめておける仕組みは多くあります。そこに、困ったときに声をかけ合える人とのつながりが加われば、この先の不安は小さくできると思います。
一人の暮らしを大切にしながら、話し相手やパートナーとの出会いも少しずつ探してみませんか?同年代の人と気軽に話せる場所を探している方は、まず交流会をのぞいてみるのも一つの方法です。50代の出会いの最初の一歩は、50歳で出会いがない…同年代の出会いの場に参加する最初の一歩でも紹介しています。
出典
- 総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」表Ⅲ-2・表Ⅴ-1-3 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/kekka/pdf/outline_01.pdf
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kgaiyou.pdf
- 厚生労働省「育児・介護休業法について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
- 厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66853.html
- 日本年金機構「ねんきん定期便」https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/teikibin.html
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2025.pdf
- 厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
- 厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査 基本集計結果」https://www.mhlw.go.jp/content/000952295.pdf
- 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集2026」表6-3・表6-5 https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2026.asp?chap=6
- 内閣府男女共同参画局『令和4年版 男女共同参画白書』特集第2節 https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/honpen/b1_s00_02.html



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