生涯独身の女性は、2025年の国勢調査から計算すると50歳時点で約5人に1人です。先に結論をお伝えすると、生涯独身は良い・悪いで決めるものではなく、女性の場合は「老後が長い」ことを前提に、お金・住まい・つながり・身元保証の4つを早めに準備できるかで、暮らしやすさが変わります。
結婚しない生き方に落ち着いている。けれど、年を取ってから入院や引っ越しで「保証人は?」と聞かれたらどうしよう。そんな不安を口に出せずにいる40代・50代の女性は少なくないと感じます。
この記事では、生涯独身を選ぶ女性の特徴を国の調査から整理し、生き方の多様さ、女性ならではの老後の長さ、そして見落とされがちな身元保証の備えまでをまとめました。ひとりで生きる準備とパートナーを探す道は、どちらか一方を選ばなくても並べて進められます。
生涯独身の女性はどのくらいいる?割合と増え方

生涯独身の女性は、50歳時点で一度も結婚していない人で見ると約2割です。30年前と比べて4倍以上に増え、同年代の中でめずらしい存在ではなくなりました。
50歳時点で未婚の女性は約19.6%
2025年の国勢調査から計算すると、50歳時点で一度も結婚したことがない女性は約19.6%です。国の統計で「50歳時の未婚割合」と呼ばれる数字で、45〜49歳の未婚割合20.4%と50〜54歳の18.7%を平均した編集部の計算値です。
国立社会保障・人口問題研究所の公式値では、2020年は17.81%、1990年は4.33%でした。生涯独身という言葉は、統計ではこの「50歳時の未婚割合」を指すことが多いと覚えておくと、ネットの数字を読み違えにくくなります。
40代・50代の女性の未婚割合は2割前後
2025年の国勢調査では、女性の未婚割合は40〜44歳23.1%、45〜49歳20.4%、50〜54歳18.7%、55〜59歳16.2%でした。ここに離婚・死別で今はひとりの人を加えると、配偶者のいない女性はさらに多くなります。
同年代の独身女性は、職場や同窓会で感じるより多いのが実際のところです。この記事では、その中でも「結婚しない生き方」と老後に話をしぼります。
高齢のひとり暮らしに占める未婚女性は約3割へ
国の将来推計では、65歳以上でひとり暮らしをしている女性のうち、未婚の人の割合は2020年の11.9%から2050年には30.2%に増える見込みです。これからの高齢女性のひとり暮らしは、夫と死別した人だけでなく、ずっと独身の人も当たり前に含む姿になります。
生涯独身を選ぶ女性の特徴は?白書に出ている4つの理由

生涯独身の女性の特徴は、性格よりも「何を大事にしているか」で見るほうが実態に近いと思います。令和4年版男女共同参画白書には、40〜69歳の独身女性が積極的に結婚したいと思わない理由が並んでいます。
自由でいたい気持ちが強い
独身女性が結婚に積極的になれない理由の1位は「自由でいたいから」で、60.7%でした。同じ質問で男性は44.1%だったので、女性の方が自由をはっきり理由に挙げています。仕事や趣味、住む場所を自分で決めてきた人ほど、今の暮らしを手放す理由が見つからないのだと思います。
結婚という形にこだわらない
「結婚という形式に拘る必要性を感じないから」と答えた独身女性は55.6%でした。好きな人がいても、届け出をするかどうかは別の話と考える人が増えています。恋愛そのものを否定しているわけではない点は、見落とされやすいところです。
家事や介護を背負うことに慎重
「仕事・家事・育児・介護を背負うことになるから」を理由にした独身女性は49.4%で、男性の25.9%のほぼ2倍でした。親の介護が始まる年代になると、さらに相手の親の介護まで引き受けるのは難しいと感じやすくなります。
名字が変わることへの抵抗
「名字・姓が変わるのが嫌・面倒」と答えた独身女性は35.3%で、男性の6.6%を大きく上回りました。仕事で築いた名前や、銀行・資格などの名義変更の手間を考えると、ためらうのは自然なことです。
生涯独身の女性の生き方は?決めた人も迷っている人もいる

生涯独身の女性といっても、生き方は一つではありません。はっきり決めている人、なんとなく今に至った人、途中で気持ちが変わる人が混ざっています。
年代で結婚の意思は変わる
結婚経験のない独身女性のうち、結婚の意思が「ある」のは40代で31.7%、50代では13.0%でした。50代の独身女性では「ない」が55.6%と半数を超えています。年齢とともに、ひとりの暮らしを前提に考える人が増えるのが実際のところです。
一方で、40代の約3割は結婚したい気持ちを持っています。生涯独身を「選んだ」のか「そうなった」のか、自分でもはっきりしない人がいてもおかしくありません。
恋人がいる独身女性もいる
同じ白書では、50代女性の4.0%が「配偶者はいないが恋人はいる」と答えています。配偶者のいない人に限って計算すると、50代女性の約15%に恋人がいる計算です。生涯独身と、ひとりきりで過ごすことは同じ意味ではありません。
否定も美化もしない物差し
生涯独身が幸せかどうかは、独身かどうかより「自分で選んだと思えるか」と「困ったときに頼れる先があるか」で分かれると思います。自由な暮らしが合う人もいれば、あとから寂しさに気づく人もいます。どちらも本人の実感なので、他人の「勝ち組・負け組」の物差しで測る必要はありません。
生涯独身の女性の老後はどのくらい長い?寿命と年金の数字

生涯独身の女性が老後を考えるとき、まず押さえておきたいのが「女性の老後は長い」という事実です。長い期間を、男性より少ない年金で回す前提で準備するのが現実的です。
女性の平均寿命は87.33年、90歳まで生きる人は約半数
令和7年簡易生命表では、女性の平均寿命は87.33年で、90歳まで生きる女性の割合は50.8%でした。65歳の女性の平均余命は24.52年なので、65歳からさらに20年以上の暮らしを見込むことになります。
男性の平均寿命81.35年と比べると、約6年長い計算です。夫婦で暮らす女性も最後はひとりになることが多いので、生涯独身の女性に限らず「ひとりの老後」を前提にした準備は珍しいものではありません。
65歳以上の女性の約4人に1人がひとり暮らし
2025年の国勢調査では、65歳以上の女性のひとり暮らしは25.3%で、約517万人でした。男性の19.0%より高く、高齢女性のひとり暮らしはもう身近な暮らし方です。
厚生年金の平均は男性より月約5万8千円少ない
厚生年金を受け取る65歳以上の人の平均年金月額は、基礎年金を含めて男性173,033円、女性114,797円でした(令和6年度末)。差は月約5万8千円です。女性は収入が低い時期や働いていない時期が長くなりやすく、それが年金額の差になって表れています。
独身で長く働いてきた人は、平均より多く受け取れる場合もあります。平均はあくまで目安で、大事なのは自分の見込額です。
生涯独身の女性の老後のお金はどう備える?

老後のお金は、年金の見込額と生活費の差を知るところから始まります。生涯独身の女性は一人分の年金で長い期間を回すので、差額を早めに知っておくと手が打ちやすくなります。
年金の見込額はねんきん定期便で確かめる
50歳以上に届くねんきん定期便には、60歳まで今の加入を続けた場合の65歳からの年金見込額が書かれています。70歳・75歳まで受け取りを遅らせた場合の見込額も載っています。ねんきんネットを使えば、記録と見込額をいつでも確かめられます。
単身の高齢無職世帯は月約3万円の赤字
家計調査(2025年平均)では、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月148,445円で、可処分所得を29,980円上回っていました。この世帯の平均年齢は77.8歳です。月3万円の不足が20年続くと、約720万円を貯蓄から取り崩す計算になります。
もちろん、住まいが持ち家か賃貸か、年金額がいくらかで差は大きく変わります。自分の見込額と今の生活費を並べて、何年分の不足を準備するかを一度書き出してみるのがおすすめです。
受け取り時期を遅らせる方法もある
老齢年金は66歳以降75歳までの間に受け取りを遅らせると増額され、増えた額は一生変わりません。長生きする可能性が高い女性にとって、働ける間は給料で暮らし、年金の受け取りを後ろにずらすのは検討する価値のある方法だと思います。
ただし、遅らせている間の生活費が必要です。健康状態や貯蓄と合わせて、年金事務所などで相談してから決めると安心です。
生涯独身の女性の住まいはどうする?賃貸・持ち家・実家

住まいは、元気なうちは選択肢が多く、年を重ねるほど狭まりやすい分野です。生涯独身の女性は、どこで年を取るかを50代のうちに一度考えておくと、慌てずに済みます。
賃貸なら居住サポート住宅という選択肢
2025年10月から、見守りつきの賃貸住宅を認定する「居住サポート住宅」の制度が始まりました。大家と居住支援法人などが連携し、安否確認や見守り、必要な福祉サービスへのつなぎを行う住宅です。高齢になってからの部屋探しで、選択肢の一つになります。
持ち家なら動けるうちに住み替えの目安を
持ち家は家賃がかからない安心がある一方、階段や広さが負担になる時期が来ます。「何歳ごろ、どんな状態になったら住み替えを考えるか」を元気なうちに決めておくと、判断を先延ばしにしにくくなります。
実家に住むなら親と名義と今後を話す
親と同居している場合は、親が亡くなったあとも住み続けられるか、名義や相続の形を親が元気なうちに確かめておくことが大切です。きょうだいがいるなら、実家をどうするかの話し合いも早いほうが穏やかに進みやすいと感じます。
生涯独身の女性が困りやすい身元保証とは?入院・施設・亡くなった後

生涯独身の女性が老後に戸惑いやすいのが、入院や施設への入所で求められる「身元保証人」です。家族がいれば当たり前に頼めることを、誰に頼むかを決めておく必要があります。
保証人がいないことだけで入院は断られない
厚生労働省は、身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関が入院を拒むことは不適当だと、2018年の通知で示しています。介護施設への入所でも同じ考え方です。保証人がいなくても入院できないわけではないと知っておくと、少し気持ちが楽になります。
とはいえ、実際には緊急連絡先や支払い、退院後の手続きを誰が担うかを聞かれます。答えを用意しておくと、病院とのやり取りがスムーズです。
身元保証の事業は3つのサービスに分かれる
国が2024年6月にまとめた高齢者等終身サポート事業者ガイドラインでは、事業のサービスを「身元保証等」「死後事務」「日常生活支援」の3つに分けています。身元保証等は入院・入所時の連帯保証や緊急連絡先、死後事務は死亡届や葬儀・遺品整理、日常生活支援は通院の付き添いや支払いの代行などです。
全部をまとめて頼む必要はありません。友人やきょうだいに頼めるものと、事業者に任せたいものを分けて考えると、費用も抑えやすくなります。
契約前に確かめたい4つの点
ガイドラインでは、事業者が契約前に費用やサービス内容を書面で説明することを重要としています。契約する前に、少なくとも次の点を書面で確かめるのがおすすめです。
- 入会金・預託金・その都度の費用が分けて書かれているか
- 預託金をどう管理しているか
- 途中で解約したときにいくら戻るか
- 契約書を交付してもらえるか
身元保証の相談は、お住まいの市町村や地域包括支援センターでも受け付けています。一社だけで決めず、相談先を一つ挟むと安心です。
任意後見と遺言で意思を残す
判断能力が十分なうちに、代わりに手続きをしてくれる人と頼む内容を公正証書の契約で決めておくのが任意後見制度です。財産の行き先は遺言で決めておけます。自筆の遺言書は、法務局に1通3,900円で保管してもらう制度もあります。
生涯独身の女性の場合、遺言がないと財産はきょうだいやおい・めいに渡ることがあります。お世話になった人や団体に残したい気持ちがあるなら、形にしておくと思いが届きます。
生涯独身の女性のつながりはどうつくる?

老後の安心は、お金と制度だけでは足りないと感じます。生涯独身の女性にとって、日常で気にかけ合える人がいることは、身元保証と同じくらい大事な備えです。
安否を気にかけ合う相手を決めておく
数日連絡がつかないときに気づいてくれる人を、1人でも決めておくと安心です。友人どうしで毎朝スタンプを送り合う、きょうだいと週1回電話するなど、負担にならない形で十分です。お互いさまの関係にしておくと長続きします。
居場所を仕事の外にもいくつか持つ
趣味の教室や地域の活動、同年代の交流会など、同じ人と繰り返し会える場所を複数持つと、退職後も人間関係が続きます。一つの場所が合わなくなっても、ほかの場所があれば孤立しにくくなります。
40代からの女性の友達づくりは、40代女性の友達作り7つの方法!友達を作るメリットや付き合い方とはでも紹介しています。
生涯独身か、パートナーを探すか迷ったら?

生涯独身を考えていても、パートナーを探す道を閉じる必要はありません。40代・50代からは、結婚だけを目指さない関係を選ぶ人もいます。
結婚にこだわらない関係もある
事実婚や、別々に暮らしながら支え合う関係を選ぶ人もいます。内閣府の調査からは、事実婚を選んでいる人は成人の2〜3%と推察されています。名字や家事の負担が気になる人にとっては、自由と安心の両方を取りやすい形かもしれません。
両方の準備は同時に進められる
お金・住まい・身元保証の準備は、パートナーがいてもいなくても役に立ちます。ひとりの備えを進めながら、出会いの場にも顔を出してみる。どちらに進んでも無駄にならないので、迷っている時期こそ両方を少しずつ進めるのがおすすめです。
50代からの出会いの場は、50代の出会いの場とは?恋活&婚活におすすめの出会いの場と成功させる4つのコツでまとめています。
生涯独身の女性に関するよくある質問
Q. 生涯独身の女性の割合はどのくらいですか?
A. 2025年の国勢調査から計算すると、50歳時点で一度も結婚したことがない女性は約19.6%で、約5人に1人です。公式値のある2020年は17.81%でした。
Q. 生涯独身を選ぶ女性に多い理由は何ですか?
A. 令和4年版男女共同参画白書では、「自由でいたいから」60.7%、「結婚という形式に拘る必要性を感じない」55.6%、「仕事・家事・育児・介護を背負うことになる」49.4%が上位でした。
Q. 生涯独身の女性は老後にいくら必要ですか?
A. 年金の見込額と生活費によって人それぞれです。家計調査では65歳以上の単身無職世帯で月約3万円の不足が出ていたので、ねんきん定期便の見込額と自分の生活費を並べて計算するのがおすすめです。
Q. 身元保証人がいないと入院できませんか?
A. 身元保証人がいないことだけを理由に入院を拒むのは不適当だと、厚生労働省が通知で示しています。ただ、緊急連絡先や支払いの担い手は聞かれるので、頼める人や事業者を決めておくと安心です。
Q. 生涯独身で後悔しないためには何をすればよいですか?
A. 自分で選んだと思えることと、困ったときに頼れる先を持つことだと思います。年金の見込額を知る、安否を気にかけ合う人を1人決める、の2つから始めるのがおすすめです。
Q. 50代から結婚やパートナーを考えても遅くありませんか?
A. 遅すぎることはありません。結婚経験のない50代の独身女性の13.0%が結婚の意思があると答えていて、恋人がいる人もいます。結婚にこだわらない関係を選ぶ人もいます。
まとめ|生涯独身の女性は約5人に1人、長い老後に備えれば選べる生き方

生涯独身の女性は約5人に1人で、自由を大切にして選んだ人も、迷いながら今に至った人もいます。女性は老後が長く年金が少なめになりやすいので、お金・住まい・つながり・身元保証の4つを50代のうちに少しずつ準備しておくと、ひとりの暮らしを安心して続けやすくなります。
そのうえで、だれかと話したい、一緒に年を重ねる相手がほしいと感じたら、その気持ちも大事にしてよいものです。ひとりの準備を進めながら、同年代が集まる場を一度のぞいてみませんか?
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